人気の高いカニ類ですが、語源には諸説があります。
納得できそうな説としては、煮ると甲らが赤(丹)くなるから「甲丹」と書いてカニと読んだというもの。
漢字の蟹は、カニがハサミを使ってバラバラにして食べることからです。
蟹の字にはバラバラにする意味があります。
北海道で水揚げされるカニは、タラバガニ、毛ガニ、ズワイガニ、花咲ガニの四大カニが中心です。
いずれも寒海性で姿は大きく、身がひきしまってうま味も濃いのが特徴です。
美味しいカニを選ぶコツは、大きさの割りにズシッと手にくるものです。
●美味しさと大きさ、貫祿のタラバ、実は分家
最大のカニ類で、成長は遅く、20〜30年も生き、体重は7kg、脚端長は1mにも達します。 道東・オホーツク沿岸が主漁場です。 タラの漁場でよく捕れることからこの名がつきましたが、実はヤドカリの仲間です。 その証拠に足はハサミも含めて8本、腹部には貝に入る尾の痕跡も見られます。
●北の風味満点の毛ガニ、10本の足には身がギッシリ
殻に短毛があるクリガニ科の寒海性の海ガニでオオクリガニともいいます。 甲羅は9cmほどで、筋肉の発達した10本のたくましい足が特徴で、カニミソの味も格別です。 オホーツク・太平洋沿岸が主漁場で、春と秋〜冬の毛ガニはとくに身の入りが良いといわれています。
●冬の味覚のズワイ、オスは長足、メスは短足
北陸や山陰地方のエチゼンガニ・マツバガニもこのズワイガニのことです。 一般に出回っているのはオスです。 甲羅が8cmほどで10本の足がスラリとのび足端長は70cmほどになります。 タラバにつぐ大型ですが、メスは別種のカニのようにオスより足が短くなります。 オホーツク沿岸が主漁場で3月ころまで水揚げされます。
●カニ通に知られた花咲ガニ、鉄砲汁は絶品
タラバガニ科のカニで、タラバより浅海にいます。 足は8本で形は毛ガニより大型です。 茹でると見事に赤くなり、根室の花咲半島でよく捕れたところからこの名があります。 濃厚なコクがあり、ブツ切りにして味噌仕立ての鍋とする料理は鉄砲汁と呼ばれ、 道外のカニ通のなかにもファンが多い調理法です。
【 主な生産地ベスト5 】
平成17年度水揚げ量

毛ガニ
ズワイガニ
花咲ガニ
タラバガニ
一口メモ
カニ缶の紙
缶詰の中の身は紙に包まれていますが、これはストラバイド現象といって、
缶の金属とカニの成分の間で化学変化をおこし、
身がガラス状(無害)になるのを防ぐための特殊処理をした紙ですからご安心ください。
殻も栄養豊か
殻は繊維質にとみ、便秘を防ぎ、消化器系の有害物質排泄を促進します。
また、血中コレストロールを低下させる働きのあるキトサンも作れることがわかり、
いろいろな健康食品への利用が研究されています。
